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坂越/「生島」

Photo                       ●≪「生島」/坂越≫ 水彩・色鉛筆、紙

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午前8時14分―。

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ここは、赤穂市東部の播磨灘に面する                                  港町・「坂越(さこし)」。 

宝珠山と呼ばれる山の中腹から、                                      坂越湾に浮かぶ国指定天然記念物の                                「生島(いきしま)」を眺める。

朝陽がマブシイ・・・・・・。

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坂越湾は古来より天然の良港として知られ、                              江戸時代には廻船業などで大いに栄えた。

赤穂市は、兵庫県南西端にあたり                                    岡山県(旧備前国)との県境に位置する。                                      隣接する相生市・上郡町と佐用町の一部とともに                                  旧赤穂郡に属した。

市内には清流・千種(ちくさ)川がゆるやかに貫流し、                                  瀬戸内海(播磨灘)へと注ぐ。

古来より、赤穂は「塩つくり(赤穂塩)」が盛んな地であり                              近世「入浜式塩田」による塩は、赤穂藩の財政を大きく支えた。

奈良時代、赤穂における塩浜開発に従事していたのが                           「秦大炬(はた の おおい)」という在地豪族であったことが古文書に記される。                   

平城京から出土した木簡や文献資料などにより                           古代より千種川流域には、秦系集団(秦人・秦人部・秦部)が濃密に                      分布していた風土(地域)であったことが確認されている。

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「大避(おおさけ)神社」は、坂越の山裾に鎮座するこの地の氏神。                           祭神は「秦河勝(はた の かわかつ)」。                                             秦河勝(生没年不詳)は、渡来系氏族・秦氏における族長的人物。                      聖徳太子(574~622)に仕えた官人としても知られる。

坂越湾の目前にひょうたん型をして浮かぶ                              周囲1,6キロの「生島」は、河勝が太子亡き後の                              都での乱を逃れ漂着した島であることから                                           この名が付けられたという。

島内には河勝の墓所も築かれており、島全体が神域として                           緑色濃く原生林に覆われている ―。

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静謐なまでに波穏やかな坂越湾に浮かぶ                                     「ひょうたん島」を遠く眺める。

・・・眺めながら、頭の中では昭和39年頃に                                           山口市・椹野川付近の民家の庭先から偶然に出土した、                         「秦益人(はた の ますひと)」と刻まれたわずかに20数センチ程の                         「古代石文」のことを想い重ねていた。

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昇る太陽に目を細める。

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(2011/11/08)

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