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畿内七道諸国郡郷名著好字・・・

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●≪『播磨国風土記』 山川出版社 2005年発行≫

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今より1300年前―。
諸国にひとつの官命が発せられた。

           
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 畿内七道諸国郡郷名著好字
 其郡内所生 銀銅彩色草木禽獣魚虫等物
 具録色目 及土地沃塉 山川原野名号所由
 又古老相伝旧聞異事 載于史籍言上

               (*『続日本紀』和銅六(713)年五月甲子条)

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郡(こおり)・郷(さと)の名称には好字(こうじ)を著けよ
郡内に生ずる銀・銅・彩色(染料・絵具)・草・木・鳥・
  獣・魚・虫などの色目(
品目)を具(つぶさ)に記録
土地の肥沃の度合い
山・川・原・野の名称の由来
古老の伝承する旧聞・異事(古い話や変わった事柄)

  これらを史籍(歴史書)に記載して
  言上(
ごんじょう)せよ。
 (*『続日本紀』和銅六年(713)五月甲子(二日)の条) 


             
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これを受けて諸国の国司(
地方官)が編纂し、
中央政府に提出された上申文書である「解(
)」こそが、
後に『風土記(
ふどき)』と称される国別の「地誌(地理書)」である。

現在、写本として現存する『風土記』は
「常陸(
ひたち)・播磨(はりま)・出雲(いずも)・
豊後(
ぶんご)・肥前(ひぜん)」の五風土記。

(本来存在したはずの六十余国の
『風土記』は散逸し、逸文(
いつぶん)として
一部が後世に書き残されているのみ。)

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『風土記』は、こう始まる。

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常陸(ひたち)の国(くに)の司(つかさ)の解()
古老
(ふるおきな)の相伝(あひつた)ふる
旧聞
(ふること)を申(まを)す事(こと)(*『常陸国風土記』巻首より)

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●≪森永翁(祝島)≫油彩・カンヴァス

 

『播磨国風土記』の現存する唯一の写本は、
京都の公家、三条西家に永らく秘蔵されていた。

この三条西家本は、書風などから平安時代末期の
写本と認められ、昭和四十年には国宝に指定されている。
(現在、天理大学附属天理図書館所蔵)

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